凸関数の和は凸関数になるが、それの証明を確認したので記録しておく。
以下では簡単化のために集合$X$は有限次元ユークリッド空間$R^m$の部分集合であるとする。
まず用語の定義から。
凸結合
$X$の2つの点$\boldsymbol{x}_0$, $\boldsymbol{x}_1$をとり、$0 \le \lambda \le 1, \lambda \in \mathbb{R}$である$\lambda$を一つ定める。このとき、
\[\boldsymbol{x} = \lambda \boldsymbol{x}_0 + (1 - \lambda) \boldsymbol{x}_1\]で表される点の集合$\boldsymbol{x}$を、$\boldsymbol{x}_0$, $\boldsymbol{x}_1$の凸結合という。
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この凸結合は2点を結ぶ線分のことです (3点以上に対しても凸結合は定義できる)。
(念の為補足するとこれは、
\[\begin{align*} \boldsymbol{x} &= \boldsymbol{x}_1 + \lambda (\boldsymbol{x}_1 - \boldsymbol{x}_0) \end{align*}\]となることから、$\boldsymbol{x}$は$\boldsymbol{x}_1$を通り$\boldsymbol{x}_1 - \boldsymbol{x}_0$の方向に $|\boldsymbol{x}_1 - \boldsymbol{x}_0|$の$\lambda$倍だけ動く点の集合だから2点を結ぶ線分になる。)
凸集合
集合$X$がそこに含まれる任意の2点から作られる凸結合が$X$に含まれるとき、集合$X$は凸集合であるという。
凸関数
凸集合$X$を定義域とする関数$f$が、任意の2点 $\boldsymbol{x}_0, \boldsymbol{x}_1 \in X$, $0 \le \lambda \le 1$である任意の実数$\lambda$に対して、
\[f(\lambda \boldsymbol{x}_0 + (1 - \lambda)\boldsymbol{x}_1) \le \lambda f(\boldsymbol{x}_0) + (1 - \lambda) f(\boldsymbol{x}_1)\]が成立するとき、$f$は凸関数とよばれる。
凸関数の和は凸関数
$n$を正の整数として、$f_1, \dots, f_n$が凸関数であるとき、$\sum_{i=1}^{n} f_i$は凸関数になる。
[証明]
$\boldsymbol{x}_0, \boldsymbol{x}_1 \in X$, $0 \le \lambda \le 1$とすると、
Reference
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/ito/pdf97/me97fuku.pdf